木地師の家でありながら、
私は娘しかこの世に送り出すことができませんでした。
という言い方をすると誤解を生みやすく、語弊がありますけれどお許しください。
最初の子を妊娠していたとき、
先代から言われたことがあります。
「こいのぼり用の大きなポールはあるからね☆彡」
期待されているのね、と思いながらも、本能的にこの子は女の子!と感じておりましたので
笑ってごまかすことしかできませんでした。
そして2番目、3番目と妊娠がわかり、
その都度、こんどはどうかなぁと。多分、深く思わずに声を掛けてくれていたと思います。
母親とは不思議なもので、
お腹の中の子の性別はなんとなぁくわかると思うのですが、
さすがに3番目のとき、女の子だと思うとはなかなか言い出せず、
やはり笑ってごまかしました。
そして、この四月、三番目の娘が漆を学びに輪島に出向きます。
長女は長女なりに
次女は次女なりに
そして三女は三女なりに、家業を思ってくれていることが本当に嬉しいのです。
男の子に継がせることはできませんでしたが、
三人の娘たちがそれぞれの立場で心を寄せ、1000年の歴史を持つ木地師の末裔であることの誇りを持って生きていってくれたら、これ以上の喜びはありません。
農家から木地師へ嫁ぎ、なにもできない私ですが、
技術と血統を絶やさないこと。
これだけが唯一の責務と思っています。
そして、皆様の応援のみが私のチカラの源です。
いつもありがとうございます!
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