たづこ姉(ねぇ)

「新草のべったら焼き」

嫁に来たころ、たづこ姉(ねぇ)が作ってきてくださった。
モチ草の良い香りと、甘さと、もちもちとした食感と。
一口で大好きになり、目の前でぱくぱくといただいた。

それ以来、私の顔を見ると「また今度べったら焼き、作ってやるでな」と言ってくれた。



昨年の11月。
たずこ姉たちが寄ってくれた。
久しぶりの自宅での大宴会。
良く食べ、良く話し、良く笑ってた。
お腹一杯になると、ころんと横になる。
相変わらずだ。


「みんな先にいっちまってよぉ。
 おりゃあ、悲しいとこよ…。」と口にするようになった。



毎年広瀬の夏祭りには、外波山家が一堂に参加してくださった。
挨拶すると「おぉ~おぉ~ヤマトかぁ…」と手を握ってくれた。


柔らかい笑顔。
暖かな小さな手。
華奢な後姿…、忘れない。


平成23年2月17日 外波山たづ子姉 享年 96才。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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